子猫の噛み癖
子猫が本気で噛みついてきて困る、というお話をよく聞きます。まずは、絶対に叱らない!
猫は狩猟動物。獲物を捕まえて殺す(catch & kill)は大事な本能で、子猫は遊びを通じてそれを練習しています。
子猫が噛みつくのは、問題行動ではなく、成長の過程。大事なことです。
ただし、人間を噛んで良い、ということではありません。小さいうちに噛む癖をつけると、大人になっても噛む猫になりかねません。猫は、『習慣の生き物』。良いことも悪いことも、一度癖になると、なかなか変えようとしないので、子猫のうちに噛み癖がつかないようにします。
まず、肝心なのが、おもちゃを使って、catch & killを十分にやらせてあげること。
ご自分の手足にじゃれつかせる方がいますが、これはNG。人の手足には噛みついてはいけない、ということを知ってもらうために、可愛くても絶対に手にじゃれつかせないでください。
子猫のエネルギーについてゆくのは大変なので、自分はあまり動かないで良い釣り竿式のおもちゃがおすすめです。
十分に部屋の中を走らせ、猫におもちゃを捕まえさせます。捕まえたら、噛ませてあげてください。
その際、子猫は周りを見ていませんから、ぶつかってケガをしないように、なるべく物はどけて、柱やテーブルの脚などの前には、クッションを置くとよいと思います。
最初に言ったように、遊びでのアグレッションは絶対に叱らない。怒らない。体罰はもってのほか。理由は、
1、catch & killは本能だから。
噛む対象をおもちゃに向かわせます。十分に遊んであげないのに子猫を叱っても、猫には納得できません。
2、逆効果だから。
大声を出したり、体罰は猫からすると、”攻撃を受けた”ということになります。攻撃されたから攻撃し返す、という自己防衛のアグレッションに移行する可能性があります。
『猫に噛まれたので噛み返した。痛さをわからせて教える』という人がいますが、それは日本特有です。アメリカなら動物虐待。叩く、押さえつけるのもダメです。噛まれた時には無視して立ち去りましょう。
遊んでいるとき、猫は興奮状態にあります。その時きに大な声えを出したら余計に興奮して、飼い主の言うことなど耳に入りません。もっと攻撃してきます。怒鳴ったり体罰をすれば、その時には猫は噛むのをやめるかもしれませんが、攻撃性のある猫か、臆病な猫か、または飼い主を信頼しない猫に育つだけです。
噛みついてきてやめないときには、その場を立ち去り、猫を落ち着かせます。そして、『噛んだら遊ばない』という姿勢でいてください。
おさらい。子猫が噛むのは本能。遊び足りないと人間に噛みつく。自分の手足は遊びの道具に使わない。必ず、おもちゃを使って十分に遊ばせれば、子猫は人を噛むことはありません。